つなげ手ねっ!と:豊橋湿原保護の会

書き手:豊橋湿原保護の会  石黒 豊広
「かつて東海の尾瀬と云われた 葦毛湿原」

森のイラスト

 葦毛湿原は1965年から保護活動が始まり天然記念物指定として1987年豊橋市、1992年愛知県、2021年10月国指定の天然記念物になっています。同時に湿原の調査も継続して報告されています。調査結果からこのまま放置した場合早い段階で森林化する事が明らかとなり1995年1月から植生回復作業が開始されました。この植生回復作業にボランティアとして参加するグル―プとして発足したのが「葦毛湿原保護の会」です。同時に「ナガバノイシモチソウ群落保護の会」も発足していたため2013年に両会併せて「豊橋湿原保護の会」となりました。発足後28年目現在の会員は48名男女ほぼ半数で活動しています。
 植生回復作業とは湿地として成立する環境を整え生育する動植物を守り増やす事です。作業を行うに際し自然に対する色々な知識も必要なため講座を受けたり書籍を読んだりする中で「東海の尾瀬」と呼ばれていた事を知りました。1975年頃の写真を見るとなるほどと思われます。近年その規模の小ささ故に遠慮して「東海のミニ尾瀬」と変わりこのフレーズも現在あまり使われることが無いようです。湿原が急速に消失していると感じているためだと思われます。多くの人が危機感を持ち何とかしなければとの思いが形となり2013年より大規模植生回復作業が始まりました。木を伐り、切り株を取り除く等湿原の拡大と植生回復が進んで10年になろうとしています。ハルリンドウ、ミカワバイケイソウ、カザグルマ等数を増やしており流した汗の結果が出て来ています。湿原に立つと再び「東海の尾瀬」と云われるのも夢ではない気もします。そんな夢を私たちと一緒に見てみませんか?

2022年06月07日|ボランティア月刊通信のカテゴリー:つなげ手ねっ!と