ボラセンノート:盲導犬を知って

盲導犬のいらすと

 総合福祉センターあいトピアには、図書ライブラリーがあります。福祉やボランティアに関する本や実用書、エッセイなど5000冊以上があり、先日、そこで『ベルナのしっぽ』という本が目に入りました。郡司ななえさんという目の不自由な方が盲導犬のベルナと暮らした日々を、郡司さん御本人が書いた本です。この本は1996年に出版され(文庫版は2002年出版)随分経ちますが、今も多くの方に読まれています。女優の大竹しのぶさんらが出演するテレビドラマにもなり、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ライブラリーには他にも盲導犬や介助犬に関する書籍が置いてありますが、この『ベルナのしっぽ』は私が子供のころに読み、初めて盲導犬について知った本でした。
 それをきっかけに盲導犬に関心を持ち、子供ながらに盲導犬について調べ、郡司さんが参加される街頭募金活動に私も参加したことがありました。盲導犬の育成や維持、普及等には多くの費用がかかるため、各盲導犬協会では国や行政からの補助の他、大部分は市民の方からの寄付や募金を活用されています。お店や公共施設等で募金箱を見かけることもありますね。
 『ベルナのしっぽ』に出てくるベルナは14歳まで盲導犬として生き、本の終わりで亡くなっていたので、私が参加した募金活動で郡司さんと一緒にいたのはペリラという盲導犬でした。ガイド中の盲導犬はガイドに集中しなければならないので、周囲が触ったり声をかけたりすることはできません。私も静かに眺めたり、近くを少し歩いたりした程度ですが、その穏やかで純粋に働く姿と、郡司さんもまた穏やかに盲導犬と連れ添っていたのが心に残っています。盲導犬のペリラは大人しく、むやみに吠えることもありませんが、休んでいる時にはあくびをしていて、いい意味で普通の犬と変わりなかったことも覚えています。
 豊橋市でも、頭数はごく少ないのですが、盲導犬が暮らしています。見かけられた際にはあたたかく見守っていただき、ぜひ改めて見て知ってみてください。

2024年03月06日|ボランティア月刊通信のカテゴリー:ボラセンノート