ボラセンノート:ユニバーサル、或いは。

沢山の人

 ユニバーサルという言葉には「一般的な」「普遍的な」という意味がありますが、そこからユニバーサルデザイン等のように、年齢や性別、障害の有無等に関わらずはじめからできるだけ多くの人が利用できるという意味で使われています。
 先日、日本で唯一のユニバーサルシアターがあると聞きました。場所は東京で、私達の暮らす豊橋からは離れていますが、一体どんなところなのか気になっています。そこは『シネマチュプキ田端』というとても小さな映画館ですが、バリアフリーに作られ、車いすスペースを整え、視聴覚障害者向けにイヤホンによる音声ガイドや字幕付き上映を常時行っているようです。また、完全防音の鑑賞室もあり、子供連れの方や、他の人と一緒に見るのが難しい方等、誰でも利用ができます。一見、障害者のための映画館のようですが、そうではなく誰もが一緒に楽しめる映画館として工夫がされており、障害者と健常者でも一緒に楽しむことができますし、観たい映画がそこでやっているからという理由で訪れる健常者もいらっしゃるようです。
 ユニバーサルの観点とは少し異なりますが、私達の身近にある『穂の国とよはし芸術劇場』でも、例えば視覚障害者の方が舞台作品を少しでもより楽しめるように、上演前に舞台で使う小道具に実際に手で触れてみるといった催しをしているのを目にしたことがあります。
 はじめからできるだけ万人に沿えるようなユニバーサルな取り組みも、障害者や助けが必要な方へ向けたサポートも、どちらも人が人を思うことが根底にあり、必要だと感じます。また、日常生活におけるものや先で取り上げたような趣味・娯楽におけるもの、様々な分野があります。色んな方が暮らしやすい社会を色んな角度からつくることができたらいいですよね。


2023年03月09日|ボランティア月刊通信のカテゴリー:ボラセンノート